■エメラルドとは
エメラルドはベリル(緑柱石)の一種です。他のベリルとは異なり、エメラルドにはインクルージョン(内包物)や小さなひびがあることが珍しくありません。ダイヤモンドが10倍に拡大して評価されるのに対し、エメラルドは肉眼で評価されます。このような内包物やひびは、形が葉に似ていることからフランス語で「庭」という意味の「ジャルダン」と呼ばれます。ジャルダンは、ジェムストーンによっては欠点とみなされることもありますが、エメラルドに関しては、個性の一部と考えられ、天然のジェムストーンであることの証明とされることもあります。内部に含まれるクロムやバナジウムといった元素により、肉眼では緑~淡緑色に見えます。エメラルドは比較的硬く耐久性もありますが、一定方向からの衝撃に極端に弱い結晶構造なため、扱いには慎重を要します。
鉱物学データ
・英名 Emerald
・和名 翠玉(すいぎょく)、緑玉(りょくぎょく)
・色 グリーン
・光沢 ガラス光沢
・結晶系 六方晶系
・硬度 7.5~8
■エメラルドの伝説と歴史
エメラルドという名前は「緑の石」を意味するサンスクリット語に由来するものです。古代エジプトでは豊穣の女神パビスに、そしてローマにおいては再生に関連づけ、愛と美の女神であるヴィーナスに捧げられました。エメラルドは自然と希望の象徴です。
歴史上に最初にエメラルドが登場したのはなんと紀元前4000年頃のバビロニア。その後古代エジプトで産出されました。あの伝説の美女クレオパトラもこの石に大いに心を奪われ、専用の鉱山まで作ってしまったとか。またキリストが使った聖杯がエメラルドでできていたという伝承があったり、ローマ帝国の皇帝カエサルが治療のために多く集めていたという伝承があったりと歴史のあちこちで活躍しています。
■エメラルドの効果
エメラルドは5月の誕生石で、石言葉は幸福、幸運、安定、希望です。
世界の4大宝石のひとつでありジュエリーとしても好まれるエメラルドは、パワーストーンとしても高い効果を発揮してくれると言われています。
持ち主に素晴らしい英知を授けてくれる効果があるとされ、人生をスムーズに渡っていくことができるでしょう。知的な職業に就いている人には仕事のお守りになります。また持ち主に予言を授けるとも言われており、持ち主に悪意を持った人物が近づくと色が薄くなったりすることもあるとされています。