■ムーンストーンとは
鉱物種名としてのムーンストーンというものは存在しません。
ムーンストーンという名前は「長石」の中の、特殊でかつ特定の光学現象を見せるものに対する宝石名です。そのなかでもカリウムを多く含む正長石(オーソクレース)に属し、曹長石(アルバイト)成分も含み、この二種類の長石の層が重なり合って、光の内部反射と干渉が起こり、「シラー」と呼ばれる幻想的な光の効果を見ることができます。この光こそがムーンストーンの最も特徴的な魅力でもあり、名前の元となるイメージをかきたてたのだと思います。
鉱物学データ
・英名 Moonstone
・和名 月長石(げっちょうせき)
・色 無色、白色、灰色、橙色、淡緑色、黄色、褐色、淡青色
・光沢 ガラス光沢
・結晶系 単斜晶系
・硬度 6.0~6.5
■ムーンストーンの伝説と歴史
ムーンストーンは古代より世界各地で、この石には月の光が封印されていると考えられてきました。
紀元前1世紀頃から人々に知られていたとされ、プリニウスの『博物誌』やアルベルトゥスの『鉱物書』の中では『この石(ムーンストーン)は、月の満ち欠けに従いその形も大きくなったり小さくなったりする』と記述されています。
その神秘的な名が示すように、世界各地で月のパワーを秘めた石として崇められ大切にされてきました。
古代インドでは「聖なる石」として重用され、農夫達は豊作を祈願して農機具にぶら下げたといいます。また、ヨーロッパでは『旅人の石』として、旅に出かける際は安全を祈願して、この石を身につけたといわれています。
■ムーンストーンの効果
ムーンストーンは6月の誕生石で、石言葉は純粋な愛、愛の予感、健康、長寿です。
古くから霊的な石として世界中で崇拝されてきて、おだやかな月光に似た波動で、すべての争いや衝突をしずめて吸収する、平和な力があると言われました。
優しい光沢は人の心を癒し、緊張感を解き放つとされます。枕の下に置けば、安眠のお守りになるとされます。
女性性を高めてくれますので、女性特有の生理痛や肥満、更年期障害などの悩みをサポートし、出産を安心して済ませてくれるといわれてきます。また、ダイエット効果も期待でき、石の内部にスリムになった自分をイメージしてダイエットに励めば効果が上がるとか。これは願いを叶えてくれるパワーなのでしょうか。